5月25日 市長に提出した
「がれき試験焼却実施に対する声明と要望書」
市長からの回答期限は5月30日
北橋市長 殿
環境局 御中
がれき焼却試験実施に対する声明と要望書
1被災地のがれき総量が見直し中にもかかわらず試験焼却を実施
現在、東北被災地では、瓦礫の総量について算定しなおし検証中である。宮城県は発表したものの、岩手県では瓦礫総量がまだ決定していない。また広域処理の見直しも始まっている。
被災県では、税金をかける以上、原則 「町村内での自区内処理、県内での自区内処理、隣接権県で自区内処理を検討、その上でやむをえない場合には広域化を考える」としている。
従って、現在は広域化で全国の市町村にお願いするかを検討中の段階であり、そもそも北九州にがれきは依頼されない可能性もある。
北橋市長は状況を考えて、試験焼却自体を再検討することも出来た。変化する被災地の状況を考慮しない中での試験焼却強行は遺憾である。
また、被災地 石巻からの直接の依頼がなくがれき受入れに向けて試験焼却したことは、民事上、行政手続き上、大きな瑕疵を残すものである。
参考*東三河の資料添付
2震災瓦礫の管理問題
すでに試験焼却を終え、本格焼却を始めた静岡県島田市の例をあげる。
島田市の場合、本格焼却といってもわずか10トンであり、これは広域処理政策がすでに破たんしているにもかかわず、本格焼却が始まったということをアピールしたいがためのアリバイづくりであると見る識者もいる。
搬入されたコンテナ4個のうち、1個の中から異物が検出された。木材チップの中に、の重さ約70キロのコンクリート塊(縦25センチ、横60センチ、高さ18センチ)や石計7個が混入していたため、島田市はこのコンテナの焼却中止を決めたのである。
この事例を見ても、いかに震災瓦礫の被災地搬出、現地受入れ処理が杜撰なものであるか明らかである。
放射性物質はにおいも形もなく危険であるから、市は厳重な管理のもと所定の放射能容量以上のものは受け入れないと約束した。
目に見えない放射能の管理が求められている時に、目視できる大きなコンクリが入っていたことは、管理体制が欠陥を持っていたということである。
島田市の例からも、がれきの搬入は安全性の面でも不備があり、大変危険であるということがわかった。この点の原因究明がないままの受入れは許されないと考える。
3不当逮捕の問題
5月23日、日明焼却場で北橋市長が警察出動を要請し、2名が不当に逮捕された。
北九州市の試験焼却は、がれきの広域化が行方不明な状況で、受入れを前提とした試験焼却であり、これを公務とするには大変な無理がある。
そうした中で、税の使い方や安全性に問題のある試験焼却への抗議は市民の正当な権利であり、瓦礫焼却を不安に思い公務執行妨害で逮捕することは、公務を拡大解釈する暴挙である。
市民に対して一方では「絆を大事にしろ」と言いながら、一方では何ら市民の了解を得ないまま試験焼却を強行し、逮捕者まで出したことに対して、市民は北橋市政に謝罪を求めるものである。
5月24日、私たちはCNNより取材を受け、権力で市民を排除する様子が全米で放送された。
また、本日25日、日本時間9時より北九州市がとった市民への対応が全国200国以上に向けて放送される
以上、市民の3点の考えに回答するとともに、がれきを受け入れないという見解を発表することを求める。
なお、緊急事態につき回答期限は5月30日水曜日とする。
2012年5月25日
震災避難者お話の会 北九州市市民 一同