その広域処理、本当に必要でしょうか?
北九州市が、がれき処理の一般会計補正予案
8億5千万円を発表

7月11日、北九州市、北橋市長は定例記者会見で、宮城県石巻市からのがれき処理に伴う補正予算案が8億5千万円であることを説明しました。
8億5千万円は、今年8月から年度末3月までの8か月間の予算です。
8か月で2万5千800トンを処理するとしています。
これは宮城県と契約した数字ではなく、年間に処理出来る最大量3万9千500トンをもとに、北九州市が勝手に日割りで計算した数字です。

輸送費を含めた1トンあたりの処理費用を計算すると1トンあたり約9万円になります
他の自治体に比べてもコスト高です。
運搬ルートは石巻港から太刀浦港(門司区)、ひびき港(若松区)→日明焼却工場の積出基地。
試験焼却80トンをトラックで陸送し、運送費だけで1400万円かけてしまった北九州市ですが、その後、環境局や北橋市長は、タウンミーティングや説明会の場で、
「本焼却の際は船で運ぶのでむしろ東京都などよりも費用は安くなる」
と強調していました。訪問した市議会議員も一様にそう言っていました。
あの発言はいったいどうなるのでしょうか。


しかも、この輸送費にはカラクリがあります。
環境局は市民に対して
「がれきはフレコンバックに入れて運ぶ。現地でひとつひとつに管理様ICタグを付けて追跡調査が出来る。だから安全管理は万全」
と説明していました。
それを聞いて、がれきがあたかも工業製品のようにきちんと管理されるので安全だと思った市民も多いのではないでしょうか(でも、試験焼却のがれきにさえも色々なものが混じっていましたね)
しかし、実際にふたを開けてみると、フレコンバックの話は消え、一括して20フィートコンテナに直積みして運ぶ変更案での予算計上となりました。
もちろんICタグもなしです。
専門会社に依頼し、コンテナの追跡はする予定だそうですが、まだ決定ではありません。

【理由】
フレコンバッグが高くて費用的に無理だと宮城県から依頼されたため。
しかし、フレゴンバックよりコンテナの方が安全性が高い。

●フレコンバッグ一袋に入るがれき     =500-600キロ
●20フィートコンテナ一基に入るがれき=7トン強

コンテナ積にしても1トンあたり9万円もかかるのですから、予定通りフレコンバックにしたら1トンいくらになったのでしょうか。北九州市の見積もりの甘さは相当のものです。

変更は、輸送費の批判を避けるためもあるでしょう。
最初「がれきは洗って持ってくる」とまで言っていたのですが、いつの間にかその話もなくなりましたね。フレコンバックとコンテナでは、運搬費用でかなりの差が出ますが、管理の差も大きく出るでしょう。仕様や管理がどんどんずさんになっていくのは、島田市の例を見ても明らかです。

北九州市は臨時議会を18日に召集し、この8億5千万円の補正予算案を提案します。今年3月に全会派一致で受入れに賛成した市議会は、予算案を可決するでしょう。

その後、北九州市は宮城県とがれき処理についての協定を結ぶことになります。

宮城県は契約時よりがれき量が減った鹿島JVとの契約見直しもまだなのですが、北九州市の受入れ体制は本当に充分ですね。
かなり焦って、既成事実をどんどん積み上げていこうとしているようにも見えますね