やはり広域処理は必要なし。全国の広域処理は破綻

いよいよドミノ倒しのように前倒しで終了続出です。
 
宮城県のがれきは北九州市、東京都、茨城が3月末で終了。
岩手県のがれきも埼玉県(←野田村)に続き、静岡県(←山田町、大槌村)も終了です。

【富山がれき問題】不当告訴に抗議をお願いします

がれき広域処理でまた強権発動が起こっています。
北九州、大阪の逮捕者に続き、今度は富山市です。
がれき阻止を訴える普通のお母さんたちを、市長が威圧業務妨害で刑事告訴するという異例の事態になっています。

富山市は、北九州市と同じく、国に選ばれた「環境未来都市」です。
いわば、環境省の思惑どおり、国策を受け入れている都市なのです。

北九州でも大阪でもそうでしたが、これは明らかに常軌を逸した強権発動です。
対話よりも力で押し切る行政のやり方は異常です。
がれき広域処理の必要性のあるなしに関わらず、「何が何でもがれきを持ち込む」という強力なシナリオが最初から出来上がっています。
そこに市民の意見は存在しません。



★経過★【富山ガレキ阻止・暴挙】
 
 
===============================================================
富山地区広域圏事務組合は、去年12月に震災がれきを試験焼却した際、焼却灰を最終処分場に搬入するのを妨害したとして、市民グループのメンバーなどを威力業務妨害の疑いで県警に告訴しました。(中略)焼却灰を富山市山本の最終処分場に搬入しようとしたところ、周辺の住民や、がれきの受け入れに反対する市民グループのメンバーなどがトラックの前に立ちはだかって阻止したため、行政側と市民側でおよそ10時間にわたってこう着状態が続きました。  これに対し、富山地区広域圏事務組合は搬入業務を妨害されたとして、今月7日、阻止行動をとった十数人を威力業務妨害の疑いで県警に告訴しました。広域圏事務組合は「刑事訴訟法に基づき公務員の義務として告訴した」としています。
http://www2.knb.ne.jp/news/20130219_35559.htmより引用。

以下は、放射能防御プロジェクトの木下黄太さんからのお知らせです。
3月3日、問題の起こっている富山で抗議集会が開かれます。
不当な刑事告訴に抗議賛同していただける団体を募っています。

全国の皆様、ご協力お願いいたします。

「富山ガレキ阻止大会~池多のお母さんへの刑事告訴許せんちゃ!皆ではね返そう!~」(仮)
主催 放射能防御プロジェクト北陸ー3.3集会実行委員会
日時:3/3(日)9:00から正午(8:45開場)場所:富山県民共生センター「サンフォルテ」
http://www.sunforte.or.jp/free/svFreeDtl.aspx?servno=1
目的 池多のお母さん方への援護射撃。当事者含め各地からのアピール
ゲスト  青木泰 山本太郎 下地真樹 木下黄太  司会 木下黄太
内容 ゲストと県民のトーク、アピール  入場は無料
連絡先 3.3集会実行委員会 080-5582-5996

名義協賛して頂ける団体は⇒straybamboogrove@gmail.com
1.団体名
2.担当者か代表者名
3.所在地(都道府県市町村まで)
4.連絡先メールアドレス(可能なら電話番号)
5.この事案に関してのメッセージを書いて送信下さい。
(公開されるのは1と3のみで、メッセージも部分的に公開可能性があります)


 





【お知らせ】九州各地の3・10集会

福島第一原発事故からもうすぐ2年。
多くの人々が今も放射能に苦しむ中、国や企業はいまだにじゅうぶんな責任をとっていません。
再稼働阻止に向け、今、わたしたちにできることは声をあげ続けることではないでしょうか。
 
九州の皆様、3月10日は各地の取り組みに、ぜひご参加ください。
★さよなら原発!3・10北九州集会★
と き:3月10日(日)10:00~
ところ:勝山公園 (北九州市庁舎前/JR西小倉駅徒歩5分)
内 容:10:00 開場/お祭り広場・バザーなど
    11:00 オープニング/バンド演奏・大道芸など
    13:00 本集会/広瀬隆さん、山本太郎さんトークライブ、避難者の声など
    14:46 黙とう
    15:00 パレード(九電コース、小倉駅コース)
主 催:さよなら原発!北九州集会実行委員会
連絡先:090-9478-6195(深江)  web http://bye-nukes.com/kitaq
 
★さよなら原発!福岡集会★
と き:3月10日()  14:00 集会開始  15:00デモ出発
ところ:福岡市・冷泉公園 (福岡市博多区上川端町)
主 催: さよなら原発! 3・10福岡集会実行委員会
連絡先: 原発とめよう! 九電本店前ひろば(080-6420-6211・青柳)
ホームページ http://bye-nukes.com/fukuoka 
賛同カンパ:郵便振替番号  01770571599  加入者名 さよなら原発! 福岡
賛同金一口 500円(何口でも可・大歓迎)
 
★311 いのちのわ(大分)★
と き:3月10日(日)
ところ:大分市 若草公園 にて (大分駅徒歩10分)
【虹色マルシェ】10:00〜16:00
若草公園の広場がぐるっと一周オーガニックマルシェ(市)に大変身。地球と体にやさしいライフスタイルの提案として、自然素材や無添加の食べ物や雑貨のお店が並びます。
【さよなら原発集会】 12:00〜13:00  
【脱原発大行進】  13:00〜14:30  
【祈りのセレモニー】 1430 
【アフターイベント】 19:00~ 月11日をキャンドルの灯火で静かに迎えましょう
オフィシャルサイト   http://oita311.blogspot.jp/
★つながろう ふくしま・ながさき さようなら原発 ながさき広場★
と き:2013年3月10日(日)13:00~
ところ:長崎平和会館 (長崎市平野町7-8 原爆資料館の隣)
参加費:無料
内 容:12:40 オープニングライブ
    13:00 スライドショー 「100人の母たち」上映
    13:40 ライブ “ランキンタクシー&ノダチン”
    14:10 ブース紹介&交流タイム
          *長崎の野菜を福島へ送ろう、原発関連の情報、
            福島の今を伝えるブースなど
    14:46 黙とう
    14:50 福島からのメッセージ
          大沼勇治さん(福島県双葉町から愛知へ避難中)
    15:20 学びのトーク  藤田祐幸さん
    16:00 パレード 平和会館~長崎駅前高架広場
主 催:「さようなら原発1000万人アクション・ナガサキ」
連絡先:長崎市桜町9-6   ℡:095-823-7281
★川内原発再稼働反対・増設撤回 「原発いらない!3.10宮崎いのちの広場★
と き/2013年3月10日(日)(雨天決行)
    10:00~ ステージ・交流広場
    13:00~ 集会
    14:00~ デモ(宮崎中央公園----宮崎県庁)
ところ/宮崎中央公園
主 催/原発いらない!3.10宮崎いのちの広場実行委員会
《問合せ》090-8419-7054(川辺)/090-8764-9854(中別府)/090-7163-3024(長住)
★311さよなら原発くまもと集会 つながるライブ&キャンドルウォーク★
と き/2013年3月10日(日)(小雨決行)
    15:00~ 「3・11つながるライブ」
    16:30~ 「3・11さよなら原発くまもと集会」
    17:30~ 「追悼キャンドルサービス」
    18:00~ 辛島公園~サンロード~下通りパルコ前(流れ解散)
ところ/辛島公園
主 催/「311さよなら原発くまもと」集会/311つながるライブ&ウォーク実行委員会
連絡先:たんぽぽ法律事務所(096-352-2523
ホームページ http://311kumamoto.wordpress.com/
★3・10さよなら原発!かごしまパレード★
と き/2013年3月10日(日)
    10:00~ 太陽の広場(チャリティーマーケット、NO NUKESステージなど)
    14:00~ さよなら原発集会
    15:00~ NO NUKESパレード!
ところ/鹿児島中央駅東口駅前広場
主 催/さよなら原発!311鹿児島集会実行委員会
連絡先:099-248-5455(実行委員会事務局)
ホームページ http://311kumamoto.wordpress.com/
★福島原発事故から2周年3・11さよなら原発佐賀県集会★
と き/3月10日(日)
    10:00~ 福島からの避難者の報告など
    11:30~ デモ行進
ところ/佐賀県解放会館大ホール (唐津市栄町 Tel 0955-74-7768
主 催/佐賀県平和運動センター (Tel 0952-32-2211
★さよなら原発!310佐賀集会 ― 続く被ばくから子どもを守ろう!★
と き/3月10日(日)
    14:00~ 講師:伴英幸さん(原子力資料情報室共同代表)
             :岡本茂樹さん(小児科医師)
    16:00~ デモ行進
ところ/佐賀県教育会館 (佐賀市高木瀬 Tel 0952-31-7131
主 催/さよなら原発!佐賀連絡会
連絡先:090-5740-7131(杉野) 0952-28-8845(豊島)
★忘れないで311」佐賀県庁前アピール行動★
と き/311日(月)11時~18時(予定)
ところ/佐賀県庁前 座り込み、リレートーク、古川知事あてに再稼働反対の要請書提出
主 催/玄海原発プルサーマル裁判の会 (Tel 0952-37-9212

木下黄太緊急街宣 in 北九州

1月12日(土曜日)木下黄太氏が北九州市小倉北区を緊急街宣致します。
朝10時出発!小倉で見かけましたら応援お願いします!

青木泰 最新情報「震災がれき広域処理と自治体の責任」を問う


ー広域処理の妥当性と住民監査請求―

震災がれきの広域処理と自治体の責任

       2012年12月27日    青木泰

 

1.        広域処理問題における国の関与と、自治体の責任

1) 被災自治体に処理責任

震災がれき(震災廃棄物)は、廃棄物処理法上は、事業者が処理責任を負う産業廃棄物を除き、一般廃棄物として定義される。

市町村は、その区域内から発生した一般廃棄物を、「生活環境の保全上支障が生じないうちに収集し、これを運搬し処分しなければならない」(廃棄物処理法第6条の二)とあり、被災自治体(市町村)が処理責任を負う。

その上で、被災自治体が処理できない分は、他の自治体との協議により「事務委託」したり、「処理委託」をすることができる。

事務委託は、市町村が保有する事務事態を委託するもので、今回の場合、被災市町村が、当該都道府県に委託した分が、これに当たり、地方自治法第252条の14の適用を受ける。

その場合、委託に当っては、地方公共団体は、規約を設け、「委託と受け入れ先の自治体」「委託事務の範囲、管理執行の方法」「経費の支弁方法」「その他必要事項」を銘記する必要がある。(同法第252条の15)

また一般廃棄物の処理の委託については、廃棄物処理法第6条の二の2項に記載されているように「政令」に基づき委託する。

この処理の委託については、通常は、再委託は禁止されているが、震災廃棄物については、その緊急性などを勘案して、特例措置(政省令H23.7.8)により、処理委託された受託者が、再委託することを可能にしている。(再々委託は禁止されている)

被災自治体(市町村)が処理できない分は、他の自治体(当該都道府県やその他の自治体)が処理の受託を受けて、処理することが可能になっている。

2) 広域化処理の問題点

震災がれきは、被災自治体(市町村)に処理責任がある一般廃棄物として定義されながら、他の自治体への広域処理を可能としているのは、上述した「事務委託」と「処理委託」による。

ではこの広域処理は、法手続きに基づき進められていれば問題がないかと言うと、そうではない。

放射能汚染の可能性があり、アスベストや重金属の混入が予測されるがれきは、集中管理しなければならないが、それを広域に拡散し、焼却し、希釈することは、国際法上から言っても問題である。実態としても杜撰な処理処分基準の下に汚染を拡散させている。(このほか広域処理の問題点については、沖縄からの「がれきの広域処理が許されない理由」がまとまっている。)

今回の総選挙では、原発問題は争点の一つとして取り上げられたが、福島第一原発事故によって、放射性物質が環境中に放出され、低線量被曝の影響を今も残していることへの対処問題は、ほとんど取り上げられなかった。

汚染廃棄物(がれき、生活ごみ、下水汚泥)の焼却による二次汚染問題、汚染地域からの子供たちの避難、低線量被曝により健康被害を受けた人たちの治療体制、これらが汚染地から追われ、仕事も生活も奪われた人たちへの生活の保障と同時に必要になる。

ただ住民監査請求は、自治法上取り上げる対象領域が、自治体の契約案件や財務会計上の問題に限られるため、原発事故の影響を巡るすべての問題をこれで一括りにすることはできない。

しかし上述した問題を巡って、住民が行政を訴え、行政訴訟を行う時には、一番高いハードルは、「原告適格」の問題である。原告に成り得る資格があるかの問題である。直接の利害関係者であれば、当然行政を訴えることができる原告となれるが、行政の不法・不当な対応に対して、“ただの住民”が行政を訴える原告の資格を得る道筋が、住民監査請求である。通常行政訴訟を行う時には、まず住民監査請求を行い、原告としての資格を得るのである。

社会の仕組みとして、行政による執行(ないし執行予定)行為に対し、違法性や・不当性を認識した住民が、訴える権利を持つことは当然であるが、すぐ裁判となれば、裁判所は行政訴訟で溢れてしまうことになる。

そこで住民監査請求は、行政による違法な行為だけでなく、不当な行為に対しても住民は住民監査請求で訴えることができるようになっている。請求があれば、自治体に設けられた監査委員は、60日以内に監査結果を出すことになっている。いわば裁判所への訴えの代替え行為として、住民監査請求が位置付けられている。

その上で、監査委員の監査結果に異議があれば、訴えた住民は、改めて問題を違法性の下で整理し、裁判所に訴えることができる。その場合、改めて原告適格を問われることはない。その意味で住民監査請求は、裁判の前置と言われている。

社会の仕組みから言えば、行政の執行行為に対して、住民監査請求をまず行わせ、「60日間」の冷却期間を置き、それでも異議のある人はどうぞ裁判で争ってくださいと言うシステムと言える。

従って行政の執行行為に対して、私たちは住民活動によって行政行為の問題点を明らかにし、行政を批判する世論形成を図り、議会や行政との直接の交渉を通して行政行為を断念することを求める。

批判の声が高まっても、居直った行政による無法で独裁的行為が行われる時に、行政行為の阻止を貫くために行われるのが、住民監査請求―行政訴訟と言える。

これに対して、「公害調停」があるが、これは、双方の「互譲」によって到達点を見つけるものであり、「反対か否か」を争うものと異なる。例えばごみの焼却炉建設反対を巡る問題で、反対してきたが、結局建設されるのは止められないと見た時、今後に向けて条件をつけておきたいとするときなど用いられる。このほか「裁定」などもある。

 

3)国の役割

震災がれきの処理当って、国の役割は、災害廃棄物特別措置法第6条で、被災自治体の「費用負担」「協力要請」「国有地の貸与」そして一定の条件の下での「代行」等と定めている。

震災がれきの広域処理にあたっては、被災自治体の広域要請にあたって、受け入れ自治体の募集をしたり、受け入れを促進させるために、施設整備の交付金を出す等をしている。

表向きは、廃棄物処理法との関係から言って、一般廃棄物としての震災がれきを処理する被災市町村のがれき処理や処理委託を「協力」する立場においている。

   被災自治体の広域化にあたっての条件は?

国としては、ではその場合、被災自治体が他の自治体に広域化要請する条件は、

どのように定めているか?

環境省の「損壊家屋等の処理の進め方指針」(環境省資料H23.3.29)では、「市町村内の中間処理施設での処理可能量が処理必要量を下回っている時には市町村外の中間処理施設の処理の可能性を検討する。」

環境省マスタープラン(H23.5,16)「4.処理方法」「(2)広域化処理の必要性」では、「東日本大震災では、膨大な量の災害廃棄物が発生しているが、被災地では処理能力が不足していることから、被災地以外の施設を活用した広域処理も必要」

としている。

震災がれきを市町村が処理しなければならない一般廃棄物として位置づけ、市町村が処理できない分を当該都道府県に処理委託し、そのような流れで進めてきた以上、広域化の条件として「市町村内の中間処理施設での処理可能量が処理必要量を下回っている時」や「被災地では処理能力が不足している」を示したのは、当然である。

   要件チェックは、交付金の支給時?

しかし環境省の廃棄物リサイクル対策部に、「広域化にあたって、どのような基準を設けているのか?」を聞いてみたが、「そのような基準は無い」と言う返答があった。(2012年12月25日)

そこで「被災自治体が、当該自治体として処理するか、広域的に処理するか、そこには何のルールもなく、申請があれば、申請通りに、交付金(補助金)を環境省は出すのか?」

「被災自治体で処理できるのに、高い金を払って遠く運ぶ広域処理が行われていても交付金は、支給するのか?」(当然無駄な行政行為の裏には、利権がうごめく)

以上の問いに

「やはり広域処理をするにあたっては、被災自治体が、自治体だけでは期日までに処理できないことが条件になる」との答えがあった。「その点が広域処理にあたっての基準として示されていないのか?」

と再質問すると、

「それらは当たり前の事であり、交付金を支給するかどうかにあたって判断がなされる。」と答えた。

そこで「国が補助金や交付金を支給するにあたっては、補助金適正化法に違反しないかが検討されるが、補助金適正化法で判断されることだと解釈してよいか?」に対し、「そうだ」という答えが返ってきた。

  交付金が支給されない時には、自治体の持ち出しに。

被災自治体は、交付金の支給を受けるために、震災がれきの処理にあたってまず、環境省に対して交付金の申請書を記載する。

環境省は、それが妥当な場合には、その旨「査定」する。環境省の査定を受けた当該自治体は、がれきの処理事業を行い、事業にかかわった業者に支払いを済ませ、改めて交付金の支給を申請する。

被災自治体の震災がれき処理に対してほぼ100%交付金が支給されるとしてもこのような手続きが取られ、業者に支払いを済ませた 後、当該自治体から交付金の支給申請が行われ、交付金を支給するかどうかを環境省が判断したうえで、交付金が支給される。

その際「補助金等に係わる予算の執行の適正化に関する法律」第六条では、次のように定めている。

 各省各庁の長は、補助金等の交付の申請があつたときは、当該申請に係る書類等の審査及び必要に応じて行う現地調査等により、当該申請に係る補助金等の交付が法令及び予算で定めるところに違反しないかどうか、補助事業等の目的及び内容が適正であるかどうか金額の算定に誤がないかどうか等を調査し、補助金等を交付すべきものと認めたときは、すみやかに補助金等の交付の決定(契約の承諾の決定を含む。以下同じ。)をしなければならない。

  補助金適正化法に従って、法に違背しないか、合理性があるのか?が問われ、それに適合しなければ、交付金が支給されなくなる。

支給されなくなれば、当然被災自治体と、受け入れ自治体による持ち出しとなる。当然住民監査請求の対象となる。

 

2.         広域化の実態

1)広域化の虚実

広域化は以上みたように国や環境省は、震災がれきの処理事業費として復興予算の中で、約1兆円の予算を計上してきた。総理大臣や環境省大臣、廃棄物リサイクル対策部からの通知・通告を行い、受け入れ自治体の施設整備にも交付金を出したり、政府広報でメディア向けに絆キャンペーンを行うなど、さまざまな形で事業推進を図ってきた。文字通りがれきの広域化の旗を振ってきたの、政府・環境省である。

326の政府交渉ネットの質問に、環境省はがれき処理の予算規模を被災3県(福島県、宮城県、岩手県)で約1兆円と答えた。2011年度第1次復興補正、第3次復興補正、そして2012年度復興予算で、合計1兆円を計上したという。

しながら、法律上は、被災自治体と受け入れ自治体による協議と合意による協定によって進められる事業として位置付けられていた。

つまり事業の主体はあくまで、自治体であり、環境省はそれに協力するという形を取り、その事業には交付金を支給しながら、その支給については、問題があればチェックするという形を取り、ちゃっかりと点検する側に回っていたのである。問題があれば、チェックされ、事業に責任を取るのは自治体である。

当初(2011年から2012年5月21日まで)のがれきの発生量は、2250万トン(福島県200万トン、宮城県1570万トン、岩手県480万トン)と発表されていた。阪神淡路や中越地震では、ほぼ自区内で1トン当たり約2,2万円で処理されていたため、そこから計算しても約5000億円で済むはずだった。

それが倍額の1兆円の予算を立てていた。(通常考えられる予算の倍額の巨大予算が組まれていたといえる。)

 

2)   国・環境省による問題

 広域化を主体的に進めるのは、あくまで被災自治体(市町村乃至市町村から事務委託を受けた県)であり、環境省は交付金=補助金を出すだけと言う立場をとりつつ、過大な広域化予算を計上している。

 この環境省の予算措置に問題はないのか?またその後の対応に矛盾はないのか?

  広域化自体が復興予算の流用化

環境省は、被災県がすでに民間業者に業務委託していたがれきを、まだがれきがあるかに偽ってカウントして、架空の予算計上をしていた。がれきの広域化は、宮城県、岩手県の2県で合計約400万トン。その内9割を宮城県が占め、宮城県のほぼ過半を占める石巻ブロックから予定されていた293万トンは、全く架空にカウントされていた。(実際には宮城県で予定していた344万トンすべて)

環境総合研究所・大田レディスグループ、北九州市の市民検討委員会でこの事実を突き止め、宮城県や北九州市に通知・通告を行い、民事訴訟も行う中で、架空のカウントによる広域化は修正しつつあるが、架空のがれきに予算計上したこと自体犯罪行為であり、修正したからと言って免れるものではない。

被災2県の震災がれきは、基本的には市町村で処理し、処理できない分を当該県に委託し処理する方法を取った。宮城県は、県内14市町村から委託されたがれきを4つのブロック(石巻,気仙沼,名取・亘理,宮城東)に分けて処理した。宮城県の大半を占める石巻ブロック(=石巻B)のがれきは、石巻市、東松島市、女川町から委託されたものだが、表1で見るように県が受託した量は、685万トン。そのすべてを鹿島建設(株)などの大手ゼネコンからなる鹿島JV(ジョイントベンチャー)に業務委託していた。(2011年9月16日)

宮城県と石巻Bのがれきの発生量、県受託量、広域化計画量について、がれきの見直し前(当初)と見直し後の量を一覧表に表1としてまとめてみた。  環境省や宮城県から発表されるこれらの量は何度も発表され、発表のたびに数値が違い、全体の流れをつかみにくいが、基本になるデータを環境省と宮城県の公式データから抽出した。

表1
宮城県と石巻Bのがれき量の推移
 
 
 
当初
見直し後
 
 
発生量
県受託量
広域化計画
発生量
県受託量
広域化計画
宮城県
 1819,4
1107
344
1200,4
676
127
 石
石巻市
638,3
581
445,8
308
 巻
東松島市
156,8
84
83,8
3
 B
女川町
51,2
21
28,6
1
 
846,3
685
293
558,2
312
73(*1)

(計は石巻Bの計)

表の出典

*発生量(当初):「災害廃棄物処理施設建設工事等を含む災害廃棄物処理業務(石巻地区)の概要(H23.9.16宮城県生活環境部)」(追加資料1)

*県受託、石巻B受託量(当初&見直し後):「宮城県H24521日記者発表資料」(追加資料2)

*発生量(見直し後):「沿岸市町村の災害廃棄物処理の進捗状況(H24521日」(環境省)(追加資料3)

*広域化計画量(当初):環廃対発第12031600号&別紙 (追加資料4)

*広域化計画量(見直し後):「災害廃棄物推進量の見直し及びこれを踏まえた広域処理の推進について(H24521日)」環境省リサイクル対策部 (追加資料5)

 

表1で示したように、環境省は当初宮城県全体で、広域処理が必要なのは344万トン、その内石巻ブロックのがれきは293万トンと計画を立てていた。県が受託した石巻Bがれきが、全て鹿島JVに丸投げ委託している以上、広域化に回すがれきは無く、293万トンは全く架空の数字だった。

 

  杜撰ながれき量の推定

 震災がれきは、被災市町村からの交付金の申請があれば、ほぼ100%助成する形でがれき処理が行われてきた。そのためがれきの量は、発生量や処理量は、すべてがお金に置き換えられる。量はお金と等価のものとなっていた。

がれきの広域化にあたっては、「被災自治体での発生量」「被災自治体で処理できる量」そして「広域化必要量」が、被災地側で整理しなければならないデータとなる。

このデータは、被災自治体が提出するデータとなるため、書式を整えておけば、間違うことなく整理できるはずが、それさえ曖昧になっている。 PCに慣れている人の話では、エクセルデータで情報整理すればよいという声がある。

その一方で、受け入れ側自治体側の状況では、「受け入れ余裕量」(焼却炉などで休炉になっている分)「受け入れ可能量」(様々な条件を考えての受け入れ可能量)そして「受け入れ量」(契約、約束)と言うことになる。

ところが環境省の発表では、ここが混同してしまい、たとえば、「災害廃棄物の推計量の見直し及びこれを踏まえた広域処理の推進について」の発表では、「受け入れ余裕量」をそのまま「受け入れ量」として発表している。そのため実際の数値がどのようになっているか分からない(分からなくしている)実態がある。

例えば、環境省のがれきの推計量は、適当で2012年5月21日には、大幅に修正することになった。

 その大幅修正後も次のような発表のたびに大きな変更が行われている。

ⅰ)2012521日 環境省リサイクル対策部の「災害廃棄物の推計量の見直し及びこれを踏まえた広域処理の推進について」発表

ⅱ)201287日 環境省 「工程表」発表

ⅲ)宮城県9月議会(2012911日)契約変更提案

と環境省の発表では、発生量、広域化必要量を変更し、宮城県での発表は、木くずを約100万トンも消滅させている。(115万トンから4万トンへ)それに対して環境省は何の発表も行っていない。

この変更・変化の特徴を述べると

  当初広域化量から大激減

当初の広域処理予定量約400万トン(宮城344万トン、岩手57万トン)が、現状では、宮城県約10万トン前後、岩手県15万トンとなっている。

  激減の理由は、発生量の推計の誤り、「被災地自治体での処理量」を表わす業務委託量の算定の誤りなどであり、これでは広域化必要量は定まらない。

  国・環境省の発表は、必ずしも被災自治体と摺合せを行っていない。

  発表量の連続性無し

このように国・環境省の発表の最大の特徴は、それまで発表してきたデータに変化があっても、変化後のデータだけを示し、事前事後のデータを同時に発表することが無い点である。変化を示すデータの提示が無いため、当然なぜそのような変化が生じたのかの説明もなされない。

その結果、広域化必要量が400万トンとして巨額予算を組み立て、現状では、その約30~40分の一になっているが、予算を立案したものの責任は問われていないのが現状である。(巨額予算の下にすでに一年、巨大施設に設備投資が使われ、無駄な公共事業が進められてきたにもかかわらず)

 

3.まとめ

がれきの広域化は、被災自治体と受け入れ自治体の“自由な”委託契約の下に行われる。その際環境省は、交付金(=補助金)を支給し、これを支える仕組みの下で行われる。環境省はそのため、広域化を考えた予算を組み準備してきた。

しかしながら環境省が進めてきた広域化政策の大半を占める宮城県の広域化予算は、架空のがれきを想定した予算でしかなかった。しかもその後の発生量の見直しによって、宮城県、岩手県双方とも大きく削減し、(岩手県は津波堆積物=土砂は増えたが、広域化を予定していた柱材、角材や可燃物は35%~40%削減された)まず「発生量」「被災自治体での処理できる量」、そして「広域化必要量」の正確な算定が不可欠である。

現状は広域化の実態で見たように、がれきの算定は実に適当に、ずさんに行われている。

がれきを被災地で処理すればー安全性を基準にしてー当然広域化による輸送・運送費はかからず、ココスを安く処理できる。したがって本当に広域化が必要なのかを見極めることは、自治体にとってきわめて重要な仕事である。

ところが現状では、受け入れ自治体は、「被災自治体が必要といっている。」という点を唯一の出発にしている。被災自治体は、広域化しても交付金で保障されるからと「無駄な公共事業ののり」である。

しかし実際に広域化事業が行われ、その広域化事業に補助金適正化法等での検証が入れば、本当に必要だったのかが問われ、チェックされることになる。(会計検査院がチェックしなければ私たち国民が行う)

交付金が支給されなくなれば、自治体が自前のお金で処理しなければならなくなる。

今回の広域化によって、どれだけ過大に予算が組まれ、今後予算がどのように執行され、使われなかった予算が財務省に戻った後、改めてどのように使われてゆくのかは国会での議論や調査によって、監視が必要だが、私達が、自治体からこの点を問う手立てのひとつとして、住民監査請求があり、がれきの取り扱いが、このように杜撰に扱われている中で、

「どれだけ必要性や必要量を確認し、行なわれているか」

「契約の進め方が適法に行われているか」

「その他自治法など諸法に照らして法律に適っているか?」

「すべからく合理性があるか」を問い、これに疑義が見つかれば、住民監査請求を行うことになる。

中央官僚機構の打破を言いながら、東と西の元知事は、その官僚機構が仕掛けた巨額の無駄遣いをチェックすることなく、そのお余りに在りつこうとしている。事実を示し姿勢の転換を。