福岡県のがれき説明会に
北九州市が指示を出していた

昨日福岡県は、7月9日北九州市の担当者を招き、全市町村を対象にがれき説明会を福岡市内で開催するとした。
http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20120628ddlk40040363000c.html
東日本大震災:震災がれき広域処理、来月9日に説明会 県、全市町村対象に 北九州市の事例紹介 /福岡毎日新聞 2012年06月28日 地方版


県は27日、震災がれき広域処理について、全市町村を対象とした2度目の説明会を7月9日に福岡市で開催する方針を明らかにした。既に受け入れを表明した北九州市の手法・事例を紹介し、改めて受け入れ検討を求める趣旨。同市の担当者が直接、どのように受け入れ決定に至ったかを説明する。
参加対象は北九州市を除く59市町村と18の一部事務組合。当日は、環境省が被災地の現状や国の財政支援について説明。続いて北九州市の担当者が、市独自で設定した放射線基準の考え方や市民説明会の内容、今後の処理手続きなど検討から決定までの経緯を説明する。県も国との連絡調整や個別の事情に応じた協議、住民広報の方法などの支援策を紹介する。
県によると、がれき受け入れの可否については飯塚市、豊前市と田川郡東部環境衛生施設組合(大任町、香春町、添田町、赤村)の3市・組合が既に検討を始めているという。【林田雅浩】


現地での処理が進み、広域処理が見直されているこの時期になぜ、福岡県内でがれき受入れ説明会なのか。
6月28日、福岡県環境部廃棄物対策課計画指導係山本さんに電話をして理由を聞きました。
その返答は、「北九州市の要望があった」「国のお金の出方が追加された」というものでした。


なんと、北九州市が指示を出していたのでした。

以下はそのやり取りです。


Q なぜ今このようなものを開くのか
A 北九州市の要望と、国のお金の出方が追加されたため
  (広域処理を受け入れる自治体へ、国から予算の追加支援 があるようなニュアンス)

Q 現在広域処理が必要かどうかについてはどのように認識委しているか。
A 震災廃棄物が大部減ったと言うことは承知している。

Q 宮城県議会が全員一致して森の防潮堤というものを推進していることを知っているか。
A 聞いたことはある。

Qそれを実施するとガレキが足りなくなるということは承知しているか。
A… (よく分からない)

Q つい最近の宮城県の状況は調査したか
A 5月下旬の処理量の減少以降は知らない

Q 宮城県議会が全会一致で広域処理に反対している資料を送る。(送った)
  これによると、北九州市はともかく、後は近場でやると言っている。
  それなのに、九州から更に名乗りを上げると、現場は迷惑する状況なのを理解して欲しい。
A 資料は検討する。

Q 資料を検討した結果、予定が変わる場合には連絡して欲しい。
A 検討します

つまり、福岡県内の他自治体にがれき説明会を開催する経緯が、孤立することを恐れた北九州市の要請であったが分かりました。
これらを見ると、宮城県は、北九州市の北橋市長の窮地を救うために、ガレキを搬出しようとしていることが明らかです。
現地の新聞
北九州市が「石巻を救う」のではなく、「宮城県が北橋を救う」のです。
広域処理の目的が完全に逆転しています。
北橋市長は、「市役所の総力を挙げてガレキ受け入れ・焼却をする」と言ってます。29日、北九州市は市災害廃棄物受入対策本部を設置。全ての部署が、がれき対策部会を持つという異常な状態です。そのために多くの職員がかりだされています。
「(役所の本来の機能を麻痺させても)メンツを守る」という宣言をしているわけです。
住民の声を聞いて受入れ可否を決定すると言いながら、幹部職員に対しては説明会の前に「反対派とは白刃を交えて論破する」と言い切った北橋市長。
説明会でもろくな説明が出来ず、説明会で多数集まった地域住民からの反対意見アンケートは隠したままです。
これが民主主義でしょうか?

北橋市長の「役所という組織や権力をあげて、事実上ごり押しをするぞ。自分のメンツのために」というゴリ押しの結果が、北九州市、福岡県全体の風評被害です。
彼のメンツのために、北九州市、福岡県の漁業、農業、観光業は壊滅的な打撃を受けるでしょう。
受入れ決定が風評被害を発生させるのです。
受入れなければ、風評被害は全く起きないのです。

宮城県は議会をあげて広域化に反対し、村井知事との間に大きな溝が出来ています。
ここまでして成し遂げたいこの広域化で、一体誰が得をするのでしょうか?

参考記事http://hinanohanasi.blogspot.jp/2012/06/801400-84-2-0.html