8月10日(金)午前10時より記者会見
IWJ中継あり
北橋市長と村井知事に
公開質問状を提出します
すでに、北橋市長、村井知事には「このまま宮城県が北九州と契約を結べば、先にがれきを全量委託している鹿島JVとの二重契約になる」との警告書を提出しています。
http://hinanohanasi9494.blogspot.jp/2012/07/79-803-8501-1-1-24-7-9.html
この警告書に回答が得られないため、今回、公開質問状という形で回答を求めます。
明日8月10日(金)午前10時より、下記の公開質問状提出に関する記者会見を行います。
北九州市北橋建治市長 御中 2012(平成24)年8月8日
宮城県村井嘉浩知事 御中
質問者の表示 別紙の通り
811-4305 福岡県遠賀郡遠賀町松の本5-2-9
質問者ら代理人弁護士 斎 藤 利 幸
公開質問状
冠省 本年7月31日に締結されました「災害廃棄物の処理に関する基本協定書」(以下「本件協定」という)につき、質問者ら市民その他の代理人として、以下の通り公開質問を致します。
つきましては、本年16日までに文書にて、当職宛にご回答戴けますようお願い致します。
1(1) 事実
本件協定における災害廃棄物については、宮城県は、石巻市から受託を受け、受託を受けた全量を、平成23年9月16日に鹿島特定建設工事共同企業体(以下「鹿島JV」という)との間で、金1923億6000万円で業務委託契約(以下「本件業務委託契約」という)が締結され、その処理については鹿島JVが最終処理を行う事になっている。
(2) 質問
① 本件協定の必要性について
そもそも同一震災廃棄物について、鹿島JVとの業務委託契約があるのに、なぜ宮城県は北九州市と新たな本件協定や新たな委託契約(本件協定第6条,以下「新委託契約」という)を締結してまで処理する必要があるのか、明快な説明をされたい。
また北九州市は、本件業務委託契約のあることを熟知しながら、なぜ宮城県と本来全く不要な本件協定並びに新委託契約を締結して、ガレキを受入、焼却し,市民の著しい不安を煽ろうとするのか、詳細に説明されたい。」
② 宮城県が契約当事者であることについて
両者とも、本件協定が予定している震災廃棄物については既に鹿島JVに処理の権限と責任があるのみで、宮城県には本件協定の当事者としての資格が存在しないことを熟知していながら、どのような法的根拠で契約当事者(「甲」)と表示したのか、本件業務委託契約との関係で説明されたい。
③ 本件協定の不合理性について
ⅰ 宮城県は、本件協定に係る北九州に搬出する予定外のがれき(可燃がれき)については、本件業務委託契約に基づき、鹿島JVにその履行を求めるものと思われる。これでよろしいか。
ⅱ 貴職らは、鹿島JVが、ⅰのがれきを、どのような方法で処理しようとしているのかご存知か。
知っている場合、その内容を教示されたい。
知らない場合には早急に鹿島JVに確認の上、内容を教示されたい。
ⅲ ⅰからすると、本件協定の処理費用が,鹿島JVのトンあたり3万円を超えるものであれば,宮城県は、なぜ鹿島JVに、本件協定にかかるがれきの処理も含めた、全ての業務委託対象がれきに対する、契約の履行を求めないのか、その理由を説明されたい。
ⅳ 両者とも、鹿島JVにそのまま本件業務委託契約の履行を求めた場合と、北九州市に新たに処理を委託した場合と比較して、北九州市に新たに委託したほうが、石巻市の復興に確実に役立つ(客観的に見て費用効果が高い)とする合理的な理由を、具体的に(金額や数値をもって)説明されたい。
2(1) 事実
① 宮城県は、本年7月25日に災害廃棄物処理実行計画(第二次案)を発表し、これによれば、なお100万トンの広域処理(再生木くずなど35万トン・焼却処理22万トン・埋め立て処分43万トン)が必要」とされている。
② この点に関し、宮城県横田県議の本年7月27日付ブログによれば、
『ア 焼却処理22万トンについては全く問題になりません。
当初の「がれき推定量」に基づき、実に28基もの巨大な焼却炉を建設(中を含む)したものですから、来年12月まで(残り3か月は解体期間とされている)にフル稼働する必要性は、事実上、殆どなくなっています。先日のブログでも述べたように、東部ブロック・JFEのプラントは,来年7月までの11か月間で約30万トンの焼却を完了し、「県からの要請があれば、残る5か月間で10数万トンの処理は可能」と、現場責任者が述べています。なぜかこうした現状は、今回の第2次計画案には、全く『反映』されていませんから、石巻以外の焼却炉での県内での処理は、“有り余るほど”と考えても間違い無いでしょう。
イ 「東部ブロックについて,災害廃棄物対策課に確認したが,聞いていない」とのコメントについてですが,是非お名前を確認して下さい。7月18日に現場所長から示された「工程表」では,写真の様に三〇万トンの焼却は来年7月までの11ヶ月で終了となっている。ところが25日に発表された「第2次実行計画」では,12月までと図解されて居る。この点について県議団事務局で確認したところ『気仙沼の民有地以外は全部,目一杯稼働させる計画と言う趣旨で造られている。従って東部ブロックは7月に終了するだろうから,終わったら石巻分をもってきて処理することなどを想定している」と、かの責任者が応えています。
ウ 山元町のバイオマス発電施設も8月で終了・解体とされている点についても『他のブロックの木くずを持ってきて,おそらく12月まで,ギリギリ目いっぱい発電させることになるのでは無いか』と明言して居ます。全ての焼却施設等の「最新の見通し」を明らかにすれば,おそらく「広域処理の必要性」は皆無に近いと云う思いが更に強まっています。』
と指摘している。
(2) 質問
① 両者とも、宮城県のがれきは、すでに4ブロックともゼネコンを中心としたJVに業務委託している。どのような理由で、さらに(本件業務委託契約とは別に)100万トンが算出されるのか明らかにされたい。
② 両者とも、環境省のブログによるデータや、宮城県横田県議の当該ブログによれば、いわゆる広域処理が予定されている100万トンや焼却処理分22万トンについては、多額の費用がかかる北九州市はおろか、広域処理自体不要ということになる。この横田県議の指摘について、誤っている部分があるのかどうか、あるとすればどこがどのような理由で誤っているのか、具体的に説明されたい。
③ 両者とも、もし誤りがないとするのであれば、なぜ横田県議の指摘通りとせずに、あえて北九州市との新たな協定や契約を締結しようとしているのか、その合理的な理由を具体的に説明されたい。
3(1) 事実
河北新報 7月26日(木)6時10分配信記事によれば以下のとおりである。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120726-00000002-khks-l04
『宮城県は25日、東日本大震災で発生した県内のがれきの広域処理について、焼却処理する可燃物に関しては、既に受け入れを表明した自治体以外への新たな要請を行わない方針を明らかにした。仙台市内で同日あった県内全35市町村による災害廃棄物処理対策協議会の会合で示した。
輸送コストの問題や、がれき受け入れに伴う放射能不安が根強いことも考慮。』
輸送コストの問題や、がれき受け入れに伴う放射能不安が根強いことも考慮。』
(2) 質問
以上の通りであれば、まさに汚染がれきについて、最も強力な市民反対運動の起こっている北九州市への搬出こそ、市民の不安と輸送コスト上最も問題があり、取り止めされるべきであるのに、なぜ石巻市から1400kmも離れた北九州市への、がれきの搬出・搬入を取り止めないのか、両者とも、詳細に説明されたい。
4(1) 事実
本件協定書によれば、北九州市に搬出・搬入されるがれきは雲雀野町にある第二次仮置き場において破砕・選別等の処理を行ったものを予定している(第3条(1))。
(2) 質問
① この第二次仮置き場は、がれきの最終処理のために、第1次仮置き場とは別に設置された場所であり、鹿島JVが、本件業務委託契約の履行として、破砕や選別処理をし、さらには焼却等最終処理に向けた業務を行う予定地であると思われるが、両者ともどのように認識しているのか。
② 北九州に搬出される予定のがれきは、鹿島JVが本件業務委託契約の履行として、第1時仮置き場から運搬し、破砕し、選別したものと思われるが、両者とも、どのように認識しているのか。
③ 両者とも、鹿島JVがまさに委託契約の履行中のがれきを取り上げて、わざわざ北九州市まで運送費用をかけ、さらに、新たな処理費用をかけて北九州市が焼却や最終処分する事の、必要性・合理性を、鹿島JVがそのまま履行をした場合との比較において、具体的(金額・数値等をもって)に説明されたい。
④ この第二次仮置き場は、石巻市民の生活の場からはなれた雲雀野に設置されたものである。このがれき処分専用の場所に、しかも鹿島JVが業務委託契約に基づき、破砕・選別処理を施し、あとは焼却処分を待つばかりとなったがれきについて、わざわざ1400kmも離れた北九州まで運ばなければ、石巻市の復興が達成できないとする具体的な理由は何か、両者とも、詳細に説明されたい。