山崎誠(民主)衆議院議員が、
北九州がれき問題で環境省に確認
2012年9月15日(土)
災害廃棄物の広域処理の問題、続報
北九州市の災害廃棄物の広域処理問題では、反対・中止を訴える多くの皆さまから引き続きご意見をいただいております。現地では混乱した状況が続いているようで危惧しています。双方の冷静な対応をお願いします。昨日、環境省の担当を呼び、状況確認をいたしました。私からは北九州の市民の皆さんの声をお届けしました。環境省担当者も北九州市と連絡を取り合っており状況はおおむね把握している様子。確認した点は以下の通り。
- 放射性物質の拡散については、今回、搬入される災害廃棄物は100ベクレル/kg以下のものに限定しており、試験焼却においても排ガス、飛灰に含まれる放射性物質は不検出か、ごく微妙であり環境汚染の危険はないと判断している。
日明工場の焼却試験では、バグフィルター前のろ紙部でセシウム134、137が計0.08ベクレル/立方メートル(1号炉)、0.26ベクレル/立方メートル(3号炉):単位が違うことに注意が必要か、バグフィルターを通した後は不検出となっている。飛灰の薬注前でセシウム134、137の計34ベクレル/kgとなっているとのこと。 - 搬入される災害廃棄物はチップ状に粉砕されたものであり、放射性物質の測定は、複数箇所からサンプルを抽出し混合したかたちで行われていて、部分的な濃度の差も考慮した上で測定されている。
- バグフィルターについては除去できる粒子の大きさ(フィルターの目の大きさ)と放射性物質の形状・粒子の大きさの関係から、ほぼ100%除去できることは間違いない。
- 焼却灰については一般廃棄物処理場(管理型)で埋立処分されるが、最終覆土を50cm以上盛ることで放射線を十分遮蔽でき、遮水シートを引きつめるので地下水の汚染の恐れもない。
- 三菱マテリアル等民間企業による災害廃棄物の処理の実績は北九州市ではない。(他地域の工場での実績があるのみ)いま進められている広域処理が初めてのケースになる。
- 皇后崎工場での試験焼却が行われていないのは、日明工場と同型のストーカー炉であり、同じタイプで2箇所行う必要はないとの判断。(東京都などでも同様)
- 安全確認のために県内外にモニタリングポストを設けて、放射性物質の検出を進める。(情報は適宜、HPで公開)
- 飛灰のサンプルの提供は、廃棄物処理の規則上難しい。決められた処理手順の逸脱になるのではないか。
- 災害廃棄物処理の鹿島JVとの2重契約問題については、当然、広域処理分は鹿島JVの契約から減額されるものであり、これから開催される市議会で契約変更がなされる。問題とはならない。
- 市からの説明が十分でない点については、裁判を提訴されたことが影響しているのではないか。裁判の関係で説明することが難しくなっている。
- 広域処理を引き受ける北九州市への特別なインセンティブはない。金銭的に補填されるのはかかった経費分のみで有りそれ以上の支払い等は一切ない。市の好意で受け入れていただいているとの認識。
また、山口県の飯田てつなり氏より「ガレキ焼却の一時中断と隣接山口県民への説明責任を求める」申し入れ書の提出のお話があり、賛同議員となりました。午後には野田総理にお読みいただくように直接、斎藤内閣官房副長官へ提出してきました。
目に見えぬ放射能、今後どんなことが福島でまた日本で起こるのか予測できない怖さ、不安。環境を汚染し、社会を破壊し、家族をも分断する。放射性物質は私たちの命、次の世代の命、かけがえのない環境に広く永続的に影響を与える続ける。根源的な解決策は予防原則に立って、極力、放射性物質に関わらない社会を創ること。広島、長崎、チェルノブイリ、そして福島から学ぶべき。