【緊急告発】
ちょと待て、その契約は大いなる違法だ!
明らかな犯罪である!
 
 
斎藤弁護士が、宮城県と北九州市のがれき契約について、問題点をまとめました。
皆さん、ぜひご覧いただき違法行為の目撃者になってください。
国民は行政の不正を決して許しません。



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1 北九州と宮城県の本焼却に関する協定
並びに契約の違法性
1 震災がれきに関する権限

(1) 対象の石巻ブロックの「震災がれき」について、平成23916日に議会の議決を得て、鹿島JVに全量処理委託する契約がなされていた。

(2) 従って、同日以降宮城県は震災がれきに関する一切の権限を有していない。

(3) 宮城県が震災がれきに関する権限を取り戻すためには、再度宮城県議会の議決を得る必要があった。宮城県が、再度の議決無くしてがれきに関する権限を行使するのは、議会の議決(平成23916)を無視した、違法なものとなることは明白である。

2 協定・契約の締結

(1)① 北九州と宮城県は震災がれきにつき、試験焼却のために平成245月に協定、そして契約を行った。

② 試験焼却2おける運送費はトンあたり175000円、処理費は167000円、合計金342000円であった。

(2) 本焼却のための協定が平成24年7月31日に、契約が831日に締結された。

② この契約におけるがれき処理関係費用はトンあたり2.7万円といわれている。

(3) 北九州市では910日にがれきの搬出・搬入を開始し、同17日より本焼却を開始するとしている。

3 違法性

(1) 2つの協定並びに契約は、宮城県議会による鹿島JV業務委託契約の変更議決を経ておらず、これを無視したものである。従って、違法・無効である。

(2)① 宮城県知事は、鹿島JVとの業務委託契約を、9月の議会において変更契約しようとしているが、これによって以上の違法・無効を有効に出来るのかの問題が生じる。

② 民法119条によれば、『無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす。 』と定めている。

③ この民法の規定は、無効を有効とする途はなく、当事者が無効であることを知っている場合のみ、新たな行為と見なすことによって、その時点から効力を有するようになることを定めたものである。

④ しかし、地方自治法上、この様な規定はない。これは、自由意思が尊重される私人間の行為と異なり、住民保護の観点から、強い適法性が求められる行政の行為にあっては、瑕疵を治癒させるべきではないとの考慮があるからである。自治法第2条⑯・⑰項はこのことを明確に定める。

  仮に議会の議決を無視した行為が、その後の議会の議決によって救済される例外的な場合があるとしても、議会の議決を待つことが出来ないような住民の生命・身体の安全を守る緊急な場合など、緊急性の高い場合に限られる。本件は後述する如く、この様な緊急性はなにもなく、単に北九州市の市長北橋氏の利権とメンツを保つという、違法かつ陳腐な目的であるから、有効化される余地は全くない。

2 違法な協定・契約の強行とその結末

1 北九州市はもとより、九州さらには日本全国の市民が、北九州へのがれきの搬出・搬入・焼却は違法との指摘がなされてきた。

2 それにもかかわらず、北九州市北橋市長と宮城県村井知事はこれらの協定や契約の締結に固執し、はては本月10日のがれき搬出・搬入そして17日からの焼却に突き進もうとしている。この状態からすれば、違法無効を意に介することなく、違法ながれきの搬出・搬入・焼却が強行される恐れが強い。

3(1) しかし両者は、その結果、国による補助金の不払いという最悪の形で返ってくることを覚悟しなければならない。

(2) 即ち、今回のがれき処理の費用については、国の震災補助事業として、国庫金からの支払いがなされる予定となっている。

(3)① 補助金の支払いを受ける為には、補助金適正化法の要件を満たしていなければならず、同法61項は

  『第六条  各省各庁の長は、補助金等の交付の申請があつたときは、当該申請に係る書類等の審査及び必要に応じて行う現地調査等により、当該申請に係る補助金等の交付が法令及び予算で定めるところに違反しないかどうか、補助事業等の目的及び内容が適正であるかどうか、金額の算定に誤がないかどうか等を調査し、補助金等を交付すべきものと認めたときは、すみやかに補助金等の交付の決定(契約の承諾の決定を含む。以下同じ。)をしなければならない。

 と定めている。

② 本件において、貴議会においては明らかな如く、宮城県が北九州市にがれきを搬出しようとする目的は、北橋市長のメンツを保つということ以外に存在しない(試験焼却における処理費用342000円を維持できれば莫大な利権目的であったが、市民から厳しく指摘され、総額8万円弱と著しく減少した現在では、利権の面は相当に後退したであろう。ただしこれ治体鹿島JVの契約通りとすれば全く不要なものである)。この点はこれまでに詳細に説明させて頂いたので省略する。

③ そうすると、がれきの搬出・搬入・焼却に伴う諸費用は、同法に定める『法令に違反し』『目的が適正でない』という、いずれをとっても重大な瑕疵があり、支払は期待できない。

④ 我々市民は、焼却の強行がなされるのであれば、これまで通り反対運動を続けるとともに、この国庫金の支払いがなされないよう、最大限の闘いを始めることとなる。

⑤ 今や二重契約・二重支払は北九州はおろか九州全土の市民にとって公知の事実となっており、この上違法な焼却が実施・継続されるようなことになれば、国庫金の支払いは不可能となるものと思われる。

⑥ 北九州市の市長が、これだけ市民の反対があるにもかかわらず、違法を強行しようとする裏には、現政権との密約があるのではないかとの疑いもある。しかしそうでない場合はもちろん、そうであるにしても、現政権が風前の灯火であることも国民に周知の事実である。新政権が、違法無効な契約等に目をつぶる可能性はほとんどないものと思われる。

3 結論

1 いずれにしても、違法の強行による国庫金不払いの危険性は極めて高い。

2 その負担は全て宮城県に押しつけられる契約内容である。

  もし、この国庫金の不払いと言う事態が生じてから、協定・契約の無効を主張するのであれば、北九州市と宮城県との間に深刻な責任追及合戦が生じることは、火を見るよりも明らかである。

3 この最悪の事態を回避するには、貴議会において、鹿島JVとの業務委託契約の変更の決議に際し、北九州市への搬出を否決することである。

この点、前回の「宮城県議会議員の皆様へ~お願い~」で予測した通り、議案としては鹿島JV契約の金額の減少という形でしか提示されていないが、内容を精査の上、北九州へのがれき処理分が紛れ込ませているはずである。議会を欺くようなあくどいやり方と言わざるを得ず、十分に注意して頂きたい。もし議会でこの否決が出来れば、以後宮城県(知事)は、がれきの搬出が出来ない(それでも議会を無視するとは考えられない)。そうであれば、試験焼却の違法性は残るにしても、本焼却による宮城県の被害は最小限に抑えられるものと考えられる。この場合には、現に提起中の損害賠償訴訟から、宮城県分の取り下げも検討する。

4 以上をご賢察の上、以後不要・かつ深刻な紛争を防止すべく議会の権限を行使されるよう、切にお願いする次第である。

以  上