北九州がれき問題に動き出した議員たち⑥
北橋市長あてに、近隣自治体の議員から「がれき受け入れ中止を求める要請書」が次々提出されています。国会議員、県会議員に続き、今度は震災がれきの広域処理をやめ「がれきを生かした森の長城プロジェクト」を支援する議員連盟からの要請書です。
北橋市長は、これらの声にどう答えるのでしょうか?
北九州市に尋ねたところ、「近隣地自体に出向いて住民説明会を開く予定は一切ない」でした。
しかし、もはや、「震災がれき焼却」は北九州市だけの問題でないことは明らかなのです。
以下の文書は、野田首相と環境省にも提出済みです。
以下の文書は、野田首相と環境省にも提出済みです。
北九州市長 北橋健治様
2012年 9月21日
私たちは震災がれきの広域処理による放射能の拡散を防ぎ、「がれきを生かした森の長城プロジェクト」を支援する議員の集まりです。放射能は拡散させずに集中して管理することが原則です。今回の震災がれきは福島第1原発事故による放射能に汚染されており、移動させるべきものではありません。放射能には閾値はないとされており、微量でも被害の危険性は消えません。希釈して燃やしても放射能の総量が減るわけではありません。今回がれきを焼却処分することで大気中に放出された放射能や、焼却灰や飛灰に濃縮された放射能による被害を受けるものは胎児であり、将来を担う子どもです。特に内部被曝は外部部被爆に比べて影響が大きく、慎重に対処すべきです。
また、広域処理の必要性がないことが次第に明らかになってきています。5月21日に宮城県が震災がれきの量を再度見積もりを公表しましたが、大幅に減少していることが判明しました。広域処理希望量は当初の124.8万トンが見直し後は27.9万トンと1/4以下に激減しています。また宮城県では9月から石巻ブロックでは5基の仮設焼却施設がフル稼働し、1日1500トンの処理が始まっていること、亘理地区では計画の処理が来年8月には終了するなど現地処理に余裕が出来ていると聞いています。また、仙台市では処理が計画より早く終わると言うことで既に7月27日より石巻ブロックのがれきを受け入れて処分を始めています。
また、震災被災地では陸前高田市や岩泉町のように、安全ながれきであれば雇用対策として現地で処理をしたいという自治体もあります。また、震災がれきの中には遺族の遺品や思い出のものが混じっており、ゴミとして焼いてほしくないという声も聞いています。国際的に著名な植物学者である宮脇昭横浜国立大学名誉教授は、がれきを埋めて広葉樹を植林し防潮林を作ると共に、未来の世代に津波の被害を伝える記念碑として、森の長城プロジェクトを提唱し実践を始めています。宮脇氏は森の長城プロジェクトを被災地沿岸部300kmに実施すればいまあるがれきでも足りないと言っています。尚、宮脇氏は8月18日の北九州小倉の講演会の中で市民質問に答え、北九州市と北橋市長の「この計画はすばらしいが、火災と陥没に問題がある」とのコメントに対し、『全く分かっておられない。危険性のないことは私がいつでも説明します』と語られました。
このように現地には多様な意見があり、国も北九州市も現地の声を聞くべきです。さらに、宮城県議会では59名の県議会議員で「森の長城プロジェクトを推進する」議員連盟を作り、森の長城プロジェクト推進の決議を全会一致で挙げていると聞いています。議員連盟ではがれき運搬に多額の費用を使う広域処理は必要ないとの意見がまとまりつつあると聞いています。
私たちは復興税として所得税の2%、住民税として一人年間千円が徴収されています。この復興税は多額な輸送費と処理費に費やすよりも現地の人のために有効に使ってほしいと考えています。 私たちは環境省に対して別紙のとおり、広域処理の取りやめを求めました。
私たちは北九州市民に対する説明責任を果たすことを求めると共に、現在市民から提出されている公開質問状への速やかな回答は元より、周辺住民に対しても説明責任を果たすことを求めます。具体的には周辺住民が求めれば説明会を開催し説明することです。以上、回答を求めます。
を支援する議員連盟
福岡県福岡市議会議員 荒木龍昇
長崎県南松浦郡新上五島町会議員 歌野 礼
鹿児島県鹿児島市議会議員 小川 みさ子
鹿児島県鹿児島市議会議員 野口 英一郎
福岡県遠賀郡水巻町議会議員 津田 敏文
山口県下関市議会議員 田辺 よし子
長崎県諫早市議会議員 田添 政継
福岡県遠賀郡芦屋町議会議員 妹川 征男
連絡先
〒814-0033 福岡市早良区有田5丁目17-7
あらき事務所内
2012年 9月21日