がれきは広域処理して拡散してはいけない

宮城県石巻市のアスベストがれきは、

そのまま北九州市に持ってくる予定

石綿含む被災建物解体始まる 飛散防ぐ新工法採用 石巻 8月22日(河北新報)

SS工法でスレート瓦を撤去する作業員
 東日本大震災で多くの住宅などが被害を受けた宮城県石巻市で22日、アスベスト(石綿)を含んだ被災建物の解体作業が始まった。作業時の石綿飛散による健康被害も懸念されるため、屋根の撤去には飛散防止効果があるシールドサクション(SS)工法を採り入れている。
 解体業務は、市内の建設関連業者6社が2010年に設立した合同会社「県SS管理委員会」が市の委託を受けて担当する。
 建物の屋根材には、石綿を含んだスレート瓦などを使っているケースが少なくない。解体時は固定用のくぎや金具を取り外す必要があり、スレートも傷つき、石綿が飛散しやすいとされる。
 SS工法は、くぎ抜きなどの工具とクリーンルーム用掃除機が一体となった装置を使用。くぎを抜く際に秒速約20メートルの風力で、くぎや石綿などを吸引する。一般民家の場合、屋根の撤去は1日程度で終わる。水をまきながら解体する「湿潤化工法」に比べ、安全で迅速に作業できるという。
 門脇地区の木造2階建ての民家で始まった解体作業では、屋根に上がった6人の作業員が専用の装置を用い、石綿を含んだスレート瓦を1枚ずつ取り外した。
 市によると、市が今後解体する予定の建物約2000棟のうち、1割弱が石綿を含んだ資材を使っていると見込まれる。
 管理委員会は本年度末までに、作業を完了させる予定。高橋悌太郎代表社員は「復旧・復興と同様に作業員の安全確保も大事。石綿の飛散を防ぎ、きれいな石巻を次世代に引き継ぎたい」と話した。

 

 

アスベスト会議 被災地を視察   9月4日 18時45分(NHKニュース)


アスベスト会議 被災地を視察
東日本大震災の被災地で壊れた建物を解体する際に、アスベストが飛び散るのを防ぐための対策を検討する国の会議の専門家のメンバーが、宮城県石巻市を訪れ、アスベストの測定の態勢や解体現場を視察しました。

石巻市を訪れたのは、環境省と厚生労働省が設置した「東日本大震災アスベスト対策合同会議」の専門家の委員9人です。
石巻港の雲雀野ふ頭にあるがれきを一時保管する仮置き場で、敷地内や作業員などの服に機器をつけて大気中のアスベストを測定している様子を視察しました。
定期的な測定では、WHO=世界保健機関が定める基準を下回り、現状では問題がないという説明を受けました。
このあと震災で被害を受けた建物の解体現場を訪れました。
この現場では、アスベストの除去が不十分なまま工事が行われていたことが、労働基準監督署などの調べで分かったということです。
専門家らは、アスベストが飛び散るのを防ぐためシートで覆う応急措置が取られた現場を見たり、自治体の担当者に話を聞いたりしていました。
合同会議の委員長で労働衛生工学が専門の東洋大学大学院の神山宣彦客員教授は「阪神淡路大震災以降、アスベストの飛散の防止に向けた対策は進んだが、今回の震災では、経験が十分でない業者が今後も解体工事に参入するとみられており、啓発を強める必要がある」と話していました。