「週刊金曜日(8月31日版)」
搬出先の北九州市では住民が訴訟
「宮城県の瓦礫は広域処理不要」
市民が訴えてきた鹿島JV問題 http://hinanohanasi9494.blogspot.jp/ がやっとメディアに掲載されました。この件では、北九州市がれき問題と取り組んでいる斎藤弁護士が以前より取材を受けていました。
福岡・北九州市で7月27日、全国の震災がれき広域処理問題に絡む裁判が起こされた、市民、142人が原告となって同士の北橋健治市長と宮城県の村井嘉浩知事を相手取り、「市が宮城県から瓦礫を受け入れることは不必要で住民の健康を害するおそれがあり、精神的苦痛を受けた」として、損害賠償請求を求めたもの。背後には、同県の広域処理をめぐる奇妙な動きがある。
(九州ひまわりプロジェクト注:誤解の多い表現なので「裁判を起こした真意」は、是非こちらをご覧下さい http://kitahasisojou.blogspot.jp/)
宮城県は昨年9月、鹿島特定建設工事共同事業体(鹿島建設や清水建設など九社で構成。鹿島JVと略)で、県内の震災瓦礫1470万トンのうち、石巻ブロック(石巻市・女川町等。他に宮城東部、亘理名取等、計4ブロックが設定)の685.4万トンを処理する契約を、1923億6000万円で締結した。(ひまわり注:契約は2011年9月)
ところが今年5月になって、県はこの1470万トンを1030万トンに下方修正し、石巻ブロックも685.4万トンが312万トンに半減してしまう。にもかかわらず件は4月にわざわざ北九州市で広域処理する意向を表明。7月には村井知事が北九州市を訪れ、石巻市の瓦礫受け入れに関する協定を締結した。
内容は、市が2014年3月までに「木くずなど可燃がれきを年間3万9500トン受け入れ、市内三ヶ所の処理工場で焼却処理する」(河北新報8月2日付)というものだ。
だが、一方で、件には8月の時点で稼動可能な仮説焼却炉が29もあり、一日あたりの処理能力が4495万トンとされる。このため、仙台市は来年5月までに処理を終え、石巻の10万トン分を受け入れる余裕があると表明している。年間、3万9500トン程度のがれきを、わざわざ北九州市に運ばなければならない理由は乏しい。
しかも、コスト的には、県内で処理すれば1トンあたり3万円で済むにもかかわらず、遠距離のために北九州市に送れば運送料だけで1トンあたり約15万円もかかる。
(ひまわりプロジェクト注:試験焼却の場合、陸路を使用し80トンで1400万の輸送費でしたので、1トンあたり17万円もかかりました。本焼却の場合、海路を使用し1トンあたり5万円程度だそうですが、それでも焼却費用との合計は1トン8万弱。とても高いのです。もちろんすべて税金です)
この瓦礫は搬出前に県内で「土砂や不燃物を除去し、可燃物を長さ30センチ以内に破砕」(同紙)されるというが、県内での処理能力がありながら、燃やすだけの目的でなぜこれほどのコストをかけなければならないのか。ガレキの広域処理は国からの補助金が支出されるから、北九州市に委託した分、二重に加算される可能性もある。
(ひまわり注:市は住民説明会などで「がれきを洗って乾かして」持ってくると言っていました。しかし、説明もなくいつの間にかそれはなくなりました。さらに、瓦礫をフレコンバックに入れ、ひとつひとつにICタグをつけて管理すると説明。それが説明もなく何のいつの間にか20フィートのコンテナ詰めに変わっていました。すべてコストダウンのためです)
北九州市側もこれまで、市民団体などから①石巻市の瓦礫料は大幅に下方修正された以上、市に送らなければならないような瓦礫は存在しているのか②残っているとしても、現地で処理できるような瓦礫を、なぜ遠方の市まで運んで焼却する必要性があるのかーーなどの質問が提出されているが、8月28日現在、市側からの明確な回答は示されていない。
宮城県の震災廃棄物対策課は、これについて「鹿島JVと契約した時点で、最初から広域処理は決まっていた。がれきの内容によってはすべて県内で処理するのは困難で、県外に委託すべきものもある」としている。だが、契約後に瓦礫の量が下方修正され処理能力に余力ができた点や、北九州市に委託した瓦礫が県内処理できない部類になるのかどうかについては、明確な回答を避けた。
(ひまわりプロジェクト注:鹿島JVの「広域処理」とは県外にある下請け会社へ出す分で、鹿島JVから北九州市に瓦礫を出すなどという「官→民→官」の前代未聞の異常な流れはあり得ません。地方自治法では最小の経費で最大の効果を出すことが謳われています。(地方自治法第2条13項)
そもそも県が鹿島JVとの間に交わした1923億6000万円という契約金は、震災関連のみならず単体の公共事業としては現在国内最大規模だ。ところが、県議会でわずか二日の審議で決定されたほか、契約の前提となる処理すべき瓦礫量が半減しながら、なぜか金額の更新はされていない。
(ひまわり注:それなのに、8月31日に宮城県と北九州市は瓦礫処理委託契約を締結しました。
現在明らかに二重契約状態です http://hinanohanasi.blogspot.com/2012/09/nhk-08-31-20-50-9-3-910-913-9173-31.html )
さらに、鹿島JVが落札する前の昨年7月30日には、県の秘書課などに「環境省とスーパーゼネコンが話し合い、宮城県の瓦礫の二次処理について割り振りを決めた」と告発した「仙台の建設業者」と名乗る人物からの談合情報が届いた。県と落札した大手ゼネコンの社名も事前に指摘しており、県には「談合があったのでは」という抗議が一時多く寄せられた。(鹿島建設東北支店は否定)。今回の北九州市への委託問題も、こうした瓦礫処理をめぐる不透明な実態と無縁ではなさそうだ。
ひまわり注:当然ながら、交付金の支出される瓦礫は
利権の温床となっています。
北九州市民は決して追求の手を緩めません
全国の皆さん、力をかしてください!